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うにすべきて思っています。
それからもう一つ、例えばOTとかPTのように実際に医療の現場で人体をとり扱う職種があります。又、医療というものが医者だけでなくて看護婦さんはもとより薬剤師や臨床検査とかいろんな人たちのチーム医療になってきておりますですね。そういう時代に特にOT(作業療法士)やPT(理学療法士)の人たちには解剖実習が必要だろうと思います。直接人体を扱うのですから、医学部の3分の1ぐらいはやって構造を知ってもらう必要があるんじゃないかと思うんですが、そうするとまだまだ足りないということになってきますね。その点はいかがでしょうか。今後の方向として。竹内先生いかがお考えでしょうか。(笑)

 

竹内 確かにOT、PTの人には講義はあるんですね。あれはね。解剖学的な講義はあるんですよ。実習はないんですよ実はおっしゃってるように。これはひとつ私どものほうでまた勉強さしてもらいますけれども、実際じゃあどこでやるかと、実習をですね。そうするとおそらく各大学にお願いしなきゃならんということになるんじゃないでしょうか。その辺のちょっと道筋をもうちょっと勉強さしてもらわないといけませんですね。

 

内野 今実際には看護学校とか視覚障害者の鍼灸、マッサージですね。ああいうところは見学に来てます。実際目の見えない方には手を取って学生に指導させています。そういう形を、どの大学でも取っておられるんじゃないかと思うんですけれども。

 

佐藤(亨) 歯科衛生士学校でも可及的に実習の見学をするようにという条文が書いてあります。だから、歯科衛生士も見学をする。技工士学校では見学はないですね。

 

内野 現実には結構見学したりしてますね。

 

佐藤(亨) リハビリでも解剖学実習の見学をするんです。

 

三橋 札幌医大の場合は医学部と看護学部の二つになりまして解剖実習、毎日じゃないですが、OT,PTになる人はメスは使わせないですけどね。

 

佐藤(亨) カリキュラムなどにちゃんと書いてあるんですね。

 

三橋 ええ、そうなんです。

 

佐藤(亨) 実習見学をするようにと。

 

三橋 まあ見学ですけどね。だから時間を決めて、医学部の学生がやらない時間に来ています。

 

内野 一時代前の医療の現場であれば、私は必要ないと思うんですけども、今のような医療の現場であれば当然やはりしっかり勉強していただかないといけないんじゃないかと思うわけです。解剖学会としてもコメディカル教育委員会というのを作りまして検討していただいております。

 

竹内 だから厚生省の指定基準ですよね。

 

内野 そういうことになりますね。

 

竹内 今おっしゃっるように今は実習の見学、それを実習に変えるかどうかっていうのは、それは解剖学の先生方のお考えがどういうふうに厚生省の指定基準に介入していくかっていうのと、先ほども出たけども、死体解剖保存法ですよまた。

 

内野 引っ掛かるでしょうね。

 

竹内 看護学校とかOT、PTの学校で解剖しちゃいけないでしょ。今の死体解剖保存法じゃ。

 

江藤 正常解剖は、学校教育法に定める医学(歯学を含む)に関する大学において行うものとするむね明文化されています。

 

内野 ですからやはり設備の問題もありますから、最寄りの医科大学で集中実習をするというようなことになるんじゃないでしょうかね。

 

前畑 基本的に死体解剖保存法でも献体の法律でもそうですけど、死体に対する礼儀の問題ですよね。

 

星野 そうでしょ。ええ。例えばOT、PTの場合非常に実習が多くて解剖実習のときに、仮に法律が変わってやれるにしても自分で解剖する時間はないと思うんですよ。だからそれよりも医学部の学生が細かく出したところを触って、そして医学部の学生に教えてもらったほうがいいんじゃないかなとは思うんですけども。

 

内野 今後はコメディカルの教育でも解剖実習を行うべきだと思うのですが、大切なのは今、前畑先生が言われたような気持ちの問題ですね。姿勢の問題だろうと思います。感謝状のことですが佐藤先生如何ですか。

 

 

 

 

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